プラントの地震防災のマネジメント
産官学の役割
ある科学技術が生まれ、それが人々に豊かさを与えるプラスの要素と、市民の安全と健康を脅かすマイナスの要素を併せ持つようであれば、その科学技術を実現しようとするとき、マイナスの要素を克服する新たな科学技術が必要となります。地震国におけるプラントの耐震設計は、その1つの例だといえます。
産業界と保安行政は、豊かな市民生活を維持するための供給義務と、宿命的ともいえる地震の不確定要素を残した中での災害防止の義務とを共有し、学識経験者の指導、協力を得つつ、プラントの耐震安全性の向上に向けた努力をしてきています。
学会の学識経験者は、行政の決定権があるわけではなく、責任を負う立場でもありませんが、学識が深いがゆえに社会から無言の期待が寄せられ、企業の専門家を指導するとともに、行政の諮問にも応じてきています。
自然の力に対し、人間の力はあまりにも無力です。このことを知った上であえて諮問に応じようとするのは、大地震の洗礼を受ける前に人智を尽くそうという、学識経験者としての使命感からでしょう。
また、時がたてば人も変わります。社会、経済の基盤,基幹であるプラント産業の健全な発展のためには、産官学の英知、経験を結集し、最新の技術・知見を共有、活用するとともに、産官学それぞれの立場で、次代を担う若手を育成していくことが大切なことといえます。
