法令と地震防災
石油精製・石油化学プラントは、大量の高圧ガスや危険物を貯蔵し、あるいは取り扱っているため、安全に関する多くの法律によって規制されています。
プラントの地震防災に取り組まれようとするとき、次のようなことをお考えになると思います。
- プラントの保安・防災、地震防災に関連する法律にはどのようなものがあるのか、それらはどのような背景のもとに制定されてきたのか
- 地震災害を予防し、あるいは軽減するために、国はどのような計画を立て、どのような体制で臨もうとしているのか。また、地方公共団体、事業者、国民に対し、どのようなことを求めているのか。
- プラントの構造物はどのような耐震設計基準に基づいて設計が行われているのか。また、それらの耐震設計基準は、どのような変遷をたどってきたのか。
より具体的、専門的には、次のようなこともお考えになると思います。
- 災害対策基本法、大規模地震対策特別措置法、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震の地震防災対策の推進に係る特別措置法、及びそれらの法律に基づくそれぞれの基本計画、さらには地震対策大綱にはどのようなことが定められているのか、相互の関係はどうなのか。
- 石油コンビナート等災害防止法にはどのようなことが定められているのか。災害対策基本法が定める都道府県防災会議と石油コンビナート等防災本部との関係、同じく災害対策基本法が定める地域防災計画と石油コンビナート等防災計画との関係はどうなっているのか。
- 高圧ガス設備等耐震設計基準、危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示、及び建築基準法は、それぞれどのような地震動を想定し、どのような方法で耐震性を評価しようとしているのか。
本編は、このような問いに応じようとするもので、構成は以下のとおりとなっています。
法令と耐震設計
●プラントの地震防災に関連する法律
●災害対策基本法と防災計画
災害対策基本法
防災基本計画
大規模地震対策特別措置法
地震防災対策の推進に関する特別措置法
地震対策大綱
●石油コンビナート等災害防止法
●耐震設計基準の変遷
●耐震設計基準
高圧ガス設備等耐震設計基準
危険物の規制に関する技術上の基準の細目を定める告示
建築基準法
現在、これらの章のうち、災害対策基本法と防災計画のまとめを終えています。そのほかの章についても、随時まとめ、掲載の予定としています。
(有)プラント地震防災アソシエイツ 稲葉 忠