当サイトの目的
石油精製プラント、石油化学プラントは、石油製品、石油化学製品を社会に供給し、市民の生活を陰で支えています。一方では、大量のエネルギーや多くの化学物質を扱っているため、地震で事故を起こしたり、災害を招いたりする可能性を秘めています。このため、産官学を挙げて、地震災害を防止するための努力が払われてきています。
プラントの地震災害を防止する機能は、設備の耐震性と防災体制より成ります。地震の影響で設備が損傷し、漏洩事故などが起きますと、事故災害の局所化、災害の拡大防止の措置がとられます。保安・防災に係る設備にも耐震性が求められ、耐震性と防災体制は補完関係にあります。
プラントの耐震性は設計建設の時点で付与され、保全によって維持されていきますが、設計建設はプラントオーナー(事業者)の方針、仕様の基に、エンジニアリング会社(コントラクター)、メーカー及び工事会社の手によって行われます。プラントの地震災害の防止は、官庁、学会の指導、支援の下、プラントオーナー及び関係企業がそれぞれの社会的役割・責任を確実に果たすことによって、成し得るものといえます。
関係組織が自らの役割を認識し、社会的責任を果たすには、地震防災の全体像を概念として理解しておくことが必要となります。プラントオーナーが意図する地震防災機能を確保するには、意図するところについて、プラントオーナーとコントラクターの双方が共通の理解を得ておくことが必要となります。また、過去の地震被害経験などを基に、プラント、設備の地震に対する弱点、チェックポイントを知っておくことは、プラントオーナー、関係企業それぞれの立場で大切なこととなります。
当サイトは、プラントの地震防災のマネジメントの全体像を把握されようとしている方、防災体制と耐震設計との融合を図り、地震防災機能の一層の充実を図りたいと考えておられる方、プラントの中の設備(構造、システム)について、破壊的地震に対して弱点を残さないようにするにはどうしたらよいか考えておられる方、そして、地震防災に関する知識・経験を時代に伝えようとしている方、そうした方々と課題・問題を共有し、共に解決を図り、また解決を支援すべく、設置したものであります。
なお、本サイトは石油精製・石油化学プラントを対象にしてはいますが、考え方などは、発電プラント、LNGプラント、電解プラント、肥料プラント、浄水場(塩素設備)などに共通のものであります。
(有)プラント地震防災アソシエイツ代表 稲葉 忠